2014年07月25日

航空豆知識「台風」

アルファーアビエィションの飛行教官、整備士がお届けする毎回大好評の航空豆知識。
今回は台風について飛行機の教官がためになる情報をお届けします。

台風.jpg

「台風」について
本年7月4日にマリアナ諸島で発生した「台風8号」は、フィリピンの東の海上を発達しながら北上して、2日後の6日には「大型で非常に強い台風」となりました。
8日朝には、中心気圧が935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速が秒速50mの状態を維持したまま、宮古島から80kmまで接近し、沖縄本島地方を含む南西諸島で大きな被害をもたらした後、進路を東寄りに変えて鹿児島県に上陸しました。

「台風」とは、東経180度以西の北太平洋及び南シナ海の熱帯や低緯度地方で発生する熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風速が秒速17.2m以上のものをいいます。
秒速17.2m以下のものは、単に熱帯低気圧と呼ばれます。
台風は巨大な空気の渦巻きであって、上空の風(一般流)に流されて進みます。
進路の右側は左側に比べ風が強く吹くことから「危険半円」と呼ばれ、注意が必要となります。
また、風が特に強い台風を「風台風」、雨が特に多い台風を「雨台風」といいます。

今回の台風8号では、「大型で非常に強い台風」と表現されていますが、この「大型」と「非常に強い」という表現方法について説明します。
まず、大きさについての分類は、風速として秒速15m以上の強風域の大きさによって行われています。
風の強さが秒速15m以上の半径が500km未満の場合は特に表現はありませんが、500km〜800km未満は「大型」又は「大きい」と表現され、800km以上では「超大型」又は「非常に大きい」と表現されます。
また、強さは最大風速で分類が行われています。
中心付近の最大風速が秒速32.6m未満の場合は特に表現はありませんが、秒速43.7m以上54m未満のものを「非常に強い」、秒速54m以上のものを「猛烈な」という表現で表すことになっています。

では、この「大きさ」と「強さ」の観測はどのように行われているのでしょうか。
これは、気象衛星から得られる画像を利用して、過去の観測データの蓄積により熱帯低気圧や台風の位置、中心気圧、最大風速、大きさの数値を算出する「ドボラック法」と呼ばれる方法で行われています。

アルファーアビエィションでは、飛行機・ヘリコプターの操縦訓練を通じて、安全運航に関わる気象等の知識も教えています。
これからパイロットのライセンスを目指す方への基本的な知識の教育はもちろん、すでにライセンスをお持ちの方へのさらに上級資格の教育も行っております。
飛行機・ヘリコプターの操縦免許の取得を検討されている方は、気軽にお問い合わせ下さい。
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2014年07月02日

航空豆知識「飛行機の機内の気圧」

アルファーアビエィションの飛行教官、整備士がお届けする毎回大好評の航空豆知識。
今回は飛行機の機内の気圧について飛行機教官がためになる情報をお届けします。

飛行機の機内の気圧
飛行機に乗っていると、離陸した後の上昇中には感じることはありませんが、着陸に向けて飛行機が徐々に降下していくと、耳が痛くなったり詰まったような感じを受けることがあります。
これは気圧の急激な変化によるものです。

私たちの耳は、外耳、中耳、内耳から構成されていて、普段は中耳の気圧は外の気圧と同じに保たれていますが、外の気圧が急激に変化したりすると、気圧の変化により鼓膜が押されることになり、これが耳の痛みや詰まりを感じる原因となります。

大型の旅客機は、通常の飛行高度は10,000m以上で、この高度での飛行機の外の気圧は地上の5分の1程度になってしまうため、機内の気圧を2,500m程度の高さになるように調整して飛行しています。
つまり水平飛行中は、飛行機の機内の気圧と中耳の気圧は同じに保たれ、変化が起こらないので痛みなどを感じることはありません。

飛行機が着陸前に降下を開始する場合、飛行機自体は10,000mから降下しますが、機内はなるべく気圧が急激に変化しないように、着陸したときに地上と同じ気圧になるように、ゆっくりとしたペースで気圧を上げていく措置がとられています。
それでも、どうしても痛みを感じたら、ガムを噛んだり、飴を口に入れたり、ツバを飲み込むことで、痛みを和らげることができます

小型飛行機では、大型機のような機内の気圧までコントロールできる装備はありませんが、通常の飛行高度は2,500m以下のことが多く、快適な環境での飛行を行うことができます。
また小型飛行機のパイロットは、降下する際には、降下率をなるべく小さくして、急激な気圧変化が起こらないように気を配った操縦を心がけるようにしています。

アルファーアビエィションでは、ヘリコプター及び飛行機の操縦訓練中は、訓練を受ける方の体調にも配慮した操縦訓練を行っています。
操縦免許の取得やさらに上級の資格取得を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。
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2014年06月04日

航空豆知識「物件の投下」

アルファーアビエィションの飛行教官、整備士がお届けする毎回大好評の航空豆知識。
今回は飛行機の性能と標高との関係について飛行機教官がためになる情報をお届けします。

「物件の投下」
皆さん、航空機から物を投下(落とす)してもよいと思いますか?
それは、航空に詳しくない人でも「そんな危ないこと法律でだめってなってるでしょう?」と言うことでしょう。

航空法にも第89条にこのように書いてあります。
「何人も航空機から物件を投下してはならない」と。
でもその後に続く文章が面白いです。
「ただし地上又は水上の人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼす恐れのない場合であって国土交通大臣に届け出た時は、この限りでない」となっています。

「何人も」(なんぴとも=どんなひとでも)と言っておきながら、危害を与えなければ、しかも許可では無く、届け出ればよいというのにギャップを感じます。
たとえば、今度ヘリから○○○を落とします、と航空局に届ければOKなんだと。
しかし、実際には届け出てもその内容や安全性が確認されなければ「受理」してもらえないので許可と同じようなものです。
ちなみに、物件には液体も含まれます。
しかし地上や水上に到達せず途中で蒸発するならこの条文には当たらないと思われます。
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