今回は「ヘリコプターのローターの回転数」について飛行教官がためになるおもしろい情報をお届けします。
「ローター回転数 一定・・・ン?」
自動車のエンジン回転数は常に変化しますね。
例えば、発車する時はアクセルを踏み込んでエンジンの回転を上げ、逐次加速していって車に勢いがついたらギアチェンジしてエンジンの回転数は下がります。
また、坂道を上る時にはパワーが必要になるためアクセルを踏み込んで回転数を上げます。
逆に、坂道を下る時はそんなにパワーは必要ないので回転数は低くなります。
停車する時は、回転数は更にアイドリング回転まで下がります。
ところで、空を飛ぶ飛行機やヘリコプターはどうなっているのでしょう。
まず、プロペラ付きの飛行機は、自動車と同様にパワーの必要な離陸上昇の時や、高速で飛ぶ場合にはエンジンの回転数を上げてプロペラを早く回し、降下や着陸の時は回転数を下げています。
すなわち、エンジンの回転数は常に変化しています。
ところがヘリコプターは、パワーが必要な上昇飛行や高速飛行の時も、パワーが少なくて済む降下飛行や低速飛行の時も、さらには空中で一点停止している時もエンジンの回転数は概ね常に一定の回転数で回っています。・・・ン?
ならばヘリコプターが飛ぶためのパワーはどうやって調整しているの?
実は、ヘリコプターが飛ぶためのパワーは、回転数を加減するのではなく、メインローター(機体上部で水平方向に回っている大きなプロペラ)の羽の迎え角を変化させて、発生する揚力を調整することによってコントロールしているのです。
アルファーアビエィションでヘリコプターのフライトトレーニングを開始する訓練生も、回転数一定のことは知らないので、座学で一から教わり知識を増やしていきます。